テレビやネットのニュースで、学校のプール授業も始まってもいない5月下旬より「プール熱警報」が報道・配信されています。
【ニュースの主な内容】
・首都圏でプール熱猛威!東京は過去10年最多 で 警報レベルの地域が続出!
・国立感染症研究所(NIID)が平成29年6月6日付けで公表した速報データによると、プール熱(咽頭結膜熱)の患者が増加傾向にあることがわかった。5月22日から5月28日にかけて、過去10年間の同時期と比べ患者数がもっとも多く報告されている。
プール熱の正式名称は「咽頭結膜熱」といい、原因はアデノウイルスといいます。
1)主症状:「38度以上の発熱、喉の痛み、充血・メヤニ」です。
困った事に、この疾患は、これら3つの症状が全て揃うまでには時間がかかり、中には全てが揃わない患者様もおります。
「単なる夏風邪かな?」で済ませてしまうと、家族内や学校内でも感染が拡大してしまいます。この時期に上記症状の2つでもあれば、プール熱を疑うべきかと思います。
とは申しましても、インフルエンザ同様に最近のプール熱には季節性が無くなってきています。
もっとも厄介な事はインフルエンザとは違い、「プール熱」をはじめとするアデノウイルス感染症には特効薬や予防ワクチンが無く、且つ又、潜伏期も長い事です。
結構・・・というか、かなりキツイ症状の場合もあります!
また「小さい子供の病気だろう」との認識が強いようですが、大人にも感染します。
免疫力の低下している小児や高齢者が感染しますと、重症化して肺炎等を併発し、入院を余儀なくされる場合もあります。従いまして、何よりも感染予防が必要です。
2)感染経路:ネットニュースにも記載がありましたが、感染経路は様々です。主に接触感染や飛沫感染です。感染者の方が触れたタオルやドアノブ、吊革、エレベーターのボタンなどを介して感染します。
3)予防法
・手洗いの励行・目を擦らない・長い前髪を不用意に触らない
・感染した方とはタオルを変える。
・家庭内では回復期の感染者の方であっても、最後に入浴する※
・登園、登校の許可が出ても発症から2~3週間はプールに入らない※
※症状が消失してもウイルスは直腸から2~3週間は排泄されると言われています!
最近は電車の吊革を触った手でスマートフォン(以下:スマホ)を操作している方々が数多くいると思われます。帰宅後に充分に手洗いをしても、スマホにはウイルスが付いている可能性があります。
帰宅後にスマホの見過ぎで眼が疲れたからと言って、目を押したり擦ったりしても感染の可能性はあります。また長い前髪をかき上げる行為で髪の毛から目にウイルスが侵入し感染するとも言われています。洗えるスマホも発売されているようですが、スマホも清潔にする事等も心掛けては如何でしょうか。壊さない程度に・・・。。。
公共施設や病院内では飛沫感染は中々防げるものではありません。
皆様が「プール熱かな?」と疑われた際は、感染拡大予防の為にも、かかりつけの小児科、眼科などに電話にて連絡してから受診する事が大事と考えます。
みんなが、今年も暑いであろう夏に楽しく安全にプール遊びが出来る様に感染予防に留意しましょう。
2017年6月17日
みなみ野眼科クリニック