みなみ野眼科クリニックのNIDEK社製では現段階で最高位機種である3次元光干渉断層計(RS-3000 Advance型)の更なるバージョンアップが完了しました!
早速スタッフ一同、新バージョンの検査結果表示、その打ち出しの勉強会です!
ところで、先日9月21日~23日まで東京にて開催された第24回日本緑内障学会に出席して来ましたが、今年は例年以上に収穫が得られた内容の濃い発表が多かった気が致します。緑内障診断、最新医療機器の使用法、最新の治療薬剤の選択法など、私自身も大変勉強になりました。
その中でも、やはりOCTの普及が緑内障診断・治療に大きな影響をもたらした事を実感いたしました。 学会3日目の朝7時半からのモーニングセミナーでは当院採用のAdvance型OCTのバージョンアップ機能について1時間に渡り岡山大学、愛媛大学の先生の講演がありましたが、早朝にも拘わらず座る場所が無い程の大盛況ぶりでした! 少し鼻高々な気持ちで講演を聞いて参りました。 然しながらOCTはあくまでも機械である為、OCTに頼りすぎない事の重要性も話題になっていました。 「緑内障診断は医療機器に頼りすぎると思わぬ落とし穴がある」と数名の先生が研究発表の中で論じておりました。確かに自分自身も「その通り!」と思われる症例も多く経験しております。
あくまでも緑内障をはじめ、他の疾患の診断に関しては
① 眼科医が直接診る眼底検査結果
② 眼圧動態
③ 視野検査結果
④ OCT等、画像結果
上記の全てを含めた上での診断が必要である事を再認識致しました。 「OCTを用いた測定で網膜の一部(網膜神経線維層)が薄くなってなければ緑内障ではない」とは言い切れないのです。眼科医が直接診た結果「網膜が厚くなる病気」が重なっていれば機械は間違った評価をしてしまいます。
話しが難しくなって来ましたのでこの辺で修正を・・・(^_^;)
さてOCTバージョンアップの内容です。更に多くの機能が加わりましたが、その中でも最大の変更点は従来は測定幅が縦横9㎜幅の設定が、横幅が12㎜まで広がった事です!
【改良前】
[写真左]赤線:旧横の測定幅(黄斑ライン) 黄点:黄斑部
[写真右]旧黄斑ラインの断面図:中央の凹みは黄斑部
【改良後】
[写真左]赤線:新横の測定幅 黄点:黄斑部
[写真右]新黄斑ラインの断面図:右端の凹みが視神経乳頭
測定可能の幅が横12㎜になった事で、視神経と網膜が完全に連続して診る事が出来る様になりました。
この事により
1) 画像を眼球断面図と照らし合わせて、今まで以上に患者様に判り易く検査結果の説明が可能になった
2) 緑内障に類似した他の視神経疾患との鑑別にも有用
3) より広範囲の眼底の情報が得られる事になります。
他にも追加機能、機能改良点は多々ありますが、その中でも「経過観察機能の強化(フォローアップ機能強化)」は我々医療従事者だけでなく、患者様にとりましても大変有意義な改良になったと思います。
当院にて何度かOCTを受けられた患者様に関しましては、以前の検査結果と比較した変化(差分)が「従来の経過観察機能」に比べ内容も充実した上、操作も簡単になった事により、数回の検査結果の変化が更に判り易くプリントアウトする事が可能となりました。患者様にも今まで以上に検査結果の推移が一目瞭然に、ご理解頂ける様になりました!
この点に関しましては他の改良点と共に近日、当HPにUP予定とさせて頂く予定です。お楽しみにして頂ければ幸いです。