クリニックからのお知らせ

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最新型OCTバージョンアップ!(その2)

投稿日:2013年11月19日(火)

今回のOCTバージョンアップ機能は前回、説明させて頂きました「撮影幅の増加」の他にも、多々ありますが、患者様にとりまして最も有意な点は「経過観察機能の強化」となると思います。
今回のバージョンアップにより、従来は出来なかった長期経過観察結果の比較が可能になり、なんと、最大50回の撮影結果の比較が可能になりました!

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  【図0:新経過観察機能イメージ像(黄斑マップ)】

更に従来からの経過観察機能も一新され、初めての(1回目)の撮影画像(=ベース画像)と2回目以降の撮影画像との比較 / 差分が明確に表示できるようになりましたので、今まで以上に患者様にも治療後の経過を判り易く提示の上、説明できるようになりました。勿論、50回全て掲載可能な訳ではありません。最大を50回とし、その中から主治医として適切と思われます時期の解析結果や、患者様がご希望された検査時期をチョイスした結果の推移が1枚の用紙に印刷可能です。

下記に新しい経過観察機能の例を掲載いたします。緑内障(※1)と網膜疾患(※2)の2例となります。従来の解析結果(図)に加え、新しく設定された下段の折れ線グラフにより各疾患において判定に必要な網膜の層別厚みの推移を提示する事も可能となりました!

(※1)緑内障とは眼圧が高い事等によって網膜を構成する10層構造の中の「神経線維層付近」が選択的に薄くなっていく疾患です。薄くなった上、ダメージが強くなれば視野が欠けます。
緑内障では「網膜の神経線維層付近が薄くなる=悪化している」という事になります
【網膜は全層を合わせても厚さ0.2~0.3mmにすぎない薄い膜です。OCTは、その網膜の10層構造の一部の厚みさえも選択的に計測できる精密機械なのです!】
治療によって「神経線維層付近の厚みがどう変化しているか」、また「眼圧は落ち着いているが、今の治療で本当に充分な治療となっているか」等も視野欠損が進行する前に充分な検討が出来ます!
NIDEK社様にご提供頂きました緑内障の新しい経過観察結果の表示例を示します。

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【図1:緑内障例の網膜神経線維層付近の厚みの推移(NIDEK社提供)】

図1解説:向かって左上が一回目の解析結果。右方向に向かい1年9ヶ月後、2年2か月後・・・と継続的に撮影された解析結果となります。下側に放射線状に青く示された部位が、前回測定結果と比較し、神経線維層付近の厚みが薄くなり悪化している部分になります。

同図の下に提示されている折れ線グラフで「ピンク色の線」は上方の神経線維層付近の厚みの経過(変化なし)、「青い線」は下方の神経線維層付近厚みの経過を示しています。

下方の神経線維層付近の厚みが薄くなっていく傾向にある事がグラフでも示されています。

(※2)網膜疾患には網膜の中心部である黄斑部(おうはんぶ)が変形したり、むくむ(浮腫)事によって黄斑部の厚みが増す病気があります。症状は「視力低下」「歪んで見える」「左右で明るさが違って見える」「左右の眼でモノを見比べると、大きさが違って見える」等の症状です。
糖尿病性網膜症(黄斑症)・黄斑変性症・中心性網膜炎 等による黄斑浮腫や黄斑出血、他に黄斑前膜症等が代表的な病気です。
これらの疾患においては「網膜全層が厚くなる=悪化している」という事になります。
この場合は網膜全体(網膜10層)の厚みを測定した結果の経過を観て治療効果を比較します。
1例の方の経過表を下記に表示いたします。治療によって病的に厚くなってしまった網膜全層部分(乳白色で示された部分)が薄くなっていく傾向にあります。病気が改善し、病的に増してしまった網膜の厚みが減少し、その範囲も縮小していく経過が明らかです。

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【図2:黄斑前膜術後の撮影結果の経過表(当院患者様にご了承を得た上の掲載です)】

図2解説:当院の黄斑前膜の患者様の治療後の経過です。向かって左上が一回目の解析結果。緑色の部位が正常網膜の厚みで、乳白色の部分が病的に厚くなってしまった病変部を表します。1回目は術後、当院再診時の解析結果です。右に向かって、その2か月後、8か月後の解析結果です。乳白色で示された病的部分の範囲が狭くなっており、また下の折れ線グラフでは、病変部の厚みが黄斑部の上下共に薄くなって(=正常化して下降傾向になって)いく経過が一目瞭然です。

今回掲載させて頂きました他にも、種々の撮影方法での長期経過観察も可能となっています。
患者様の疾患・病態・障害部位に合わせて、どの様な解析結果で経過を追う事がベストであるかを見極めるのも医療従事者としての役目と思っております。

また、今回のバージョンアップは、医療従事者側にとりましても有意な機能向上となりました。
1) 画像の強調化(エンハンスイメージ機能の追加)等の撮影機能の強化
従来のバージョンで撮影した画像(既存の画像)にも対応する、更に綺麗な結果の得られる画像処理システム
2)機器の使いやすさの向上
3)データ管理の簡素化
4) 万一の事態に備えたデータのバックアップに対する自動リトライ機能追加

等になります。これ以上は、かなりマニアックになりますので敢えて詳記は避けますが、この素晴らしい機器を、より多くの患者様の治療に活かせるよう、常に最新情報を取り入れ、医師をはじめスタッフ一同準備しております。詳細は受診時にお気軽に医師・スタッフにお尋ねください。

今年も残りわずかですが、今後は秋田で開催の日本神経眼科学会に参加予定、また11月末には恩師のご自宅にて神経眼科の勉強会も開催されます。
これからが厳しい寒さ本番の季節となりますが、皆様のご健康を心より祈っております。ご自愛くださいませ。

充血・メヤニの方は受診前に必ずお読みください 初診・再診の前に必ずお読みください

医院情報

医院名
医療法人社団 幸乃会
みなみ野眼科クリニック
診療科目
眼科
診療内容
一般眼科・小児眼科・神経眼科・特殊眼科
電話番号
042-632-5888
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