今年も最近になり、地域内でインフルエンザに似た症状のプール熱(咽頭結膜熱)の患者様が急増しています。どちらも感染力が強く、院内感染の確率の高い疾患です。【症状は下記記載または医療コラムのプール熱警報をご参照ください】
当眼科には「緑内障」「網膜剥離」「糖尿病性網膜症」「黄斑変性症」等、失明の危険性のある方も数多く通院されておられます。定期的に通院されておられます患者様に感染致しますと、視力予後に大きな影響を与える場合もございます。
感染症が疑われる方の当院受診の際には是非とも電話にてご予約を取られた上での御受診を引き続きお願い申し上げます。電話予約を頂いた方の診察は午前・午後の一般診療終了後に時間を決めて診察させて頂いております。この件の啓蒙を地域の皆様に是非ともご協力の程、スタッフ一同心よりお願い致したいと思います。
プール熱(正式名称は咽頭結膜熱)」とも呼ばれ、アデノウイルスの感染による疾患です。本来は夏風邪の一種とされる感染症ですが、「感染症2014 プール熱が夏場以上に冬も大流行!」 「今季は11月以降に再び患者が増え、例年にない”冬場の流行”となっている」という内容でネットニュースでも流れているほどです。地域の感染症週報には不思議にも未だ反映はされてはおりませんが、地域内で相当数の患者様がいらっしゃる事は事実です。また子供だけでなく、大人の方も発症しています。(冬・咽頭結膜熱で検索して是非一度、ご覧ください)
症状は結膜炎症状(片目の充血・メヤニ)から始まったり、38度以上の発熱や、のどの痛みから始まったりと、感染した方によって症状の出方の順番に違いがあります。
通常、この時期は「38度以上の発熱、喉の痛み」という症状がでると、まず一番にインフルエンザを考えて内科や小児科を受診される方が多いと思います。インフルエンザ診断の迅速診断(インフルエンザウイルス検出キット)で陰性な場合は、冬であってもプール熱も考えなければなりません。発熱の数日後に片目の充血、メヤニがみられるようであれば、まずプール熱を疑う必要があると思います。
前にもコラムで記載しましたがインフルエンザには予防ワクチンもあり、特効薬(抗インフルエンザ薬)がありますが、咽頭結膜熱にはワクチンも無ければ特効薬もなく、感染力もかなり強力な疾患です。また便中からは2~3週もの間、感染力のあるウイルスが排出されると言われています。愚見ですが、病態を例えていいますと「インフルエンザはサッパリ型」、「咽頭結膜熱は粘着型」といえると思います。
インフルエンザも、プール熱も院内感染の多い疾患です。上記の症状がありました場合にはご都合もおありとは思いますが、各医療機関御受診の場合には電話にてご一報の上、御受診の程お願い申し上げます。
みなみ野眼科クリニック